つみたてNISAの「落とし穴」と言われる注意ポイント
つみたてNISAは便利な制度ですが、仕組みを誤解したまま始めると「思っていたのと違う」と感じる場面もあります。ここでは、よくある勘違いや注意したいポイントを押さえておきましょう。
元本が保証されるわけではない
つみたて投資枠で購入する投資信託などは、値動きのある金融商品です。銀行預金のように元本が保証されているわけではなく、市場環境によっては一時的に元本割れになることもあります。
特に、投資を始めた直後に景気が悪化したり、世界的な株価下落が起きたりすると、数年間にわたって評価額がマイナスになることもあり得ます。「つみたてNISAだから安全」というわけではない点を、最初にしっかり理解しておくことが大切です。
短期間で結果を求めすぎると失望しやすい
つみたてNISAは、10年、20年といった長い期間でコツコツ続ける前提の制度です。数年以内に大きな利益を得たい、数年後に使う予定のお金を増やしたい、といった目的には向きにくい仕組みです。
数年単位の短い期間では、ちょうど相場環境が悪く、積み立てた金額より評価額が低いままのこともあります。「数年で必ず増える」と期待し過ぎると、値動きに不安を感じやすくなり、安値で解約してしまう原因にもなります。
生活費まで投資に回してしまうリスク
毎月自動で引き落としされる積立は便利ですが、家計の状況を十分に確認せずに高い金額を設定してしまうと、生活費を圧迫してしまう可能性があります。ボーナスの増減や今後の大きな支出(教育費や住宅費など)を考慮せずに積立額を増やすと、「お金が足りないから積立をやめる」「何度も設定を変更する」といった状況になりかねません。
つみたてNISAの枠を使い切ることよりも、無理なく続けられる金額にすることを優先するほうが、結果として長続きしやすくなります。
商品やリスクをよく理解しないまま始めてしまう
つみたて投資枠の対象商品には、国内株式中心のもの、全世界の株式に投資するもの、債券を組み合わせたものなど、さまざまなタイプがあります。どの地域や資産に投資しているのかによって、値動きの大きさも変わってきます。
ランキング順位や口コミだけで商品を選ぶと、自分の許容範囲を超える値動きに驚き、途中で不安になってしまうことがあります。購入前に、「どこに投資する商品なのか」「過去にはどのくらい値動きしてきたのか」を確認する習慣をつけておきましょう。





