Z世代と良好な関係を築く3つのアプローチ
ここまでの内容を踏まえ、35〜50代の管理職がZ世代と良好な関係を築くための具体的なアプローチを紹介します。
1. 「なぜ」を説明する
Z世代は「意味のない慣習」を嫌います。逆に言えば、理由を説明すれば納得してくれる可能性が高いということです。
「上司より先に帰るな」ではなく「今日は○○の件で相談したいから、17時まで残ってもらえる?」と伝える。「新人は早く来い」ではなく「朝のミーティングで情報共有するから、9時には来てほしい」と理由を添える。このひと手間が、Z世代との信頼関係を築きます。
2. 成長機会を見せる
Z世代が最も恐れているのは「成長できないこと」です。定期的な1on1ミーティングを設け、キャリアの方向性や身につけたいスキルについて対話しましょう。
「この仕事を通じて○○のスキルが身につく」「次はこういう仕事を任せたいと思っている」といった将来の見通しを示すことが、若手のモチベーション維持につながります。「ゆるい職場」と感じさせないためには、適度な負荷と成長実感が必要です。
3. 伝え方を変える
70.6%のZ世代が「上司の言い方が変われば辞めなかった」と答えています。同じ内容でも、伝え方次第で受け取り方は大きく変わります。
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| 前にも言ったよね | もう一度確認しておこうか |
| こんなこともできないの? | ここは難しいよね、一緒にやろう |
| いいから言われた通りにやれ | 理由を説明するね、○○だから |
| 社会人として当然だろ | この業界ではこういう慣習があって |
大切なのは「相手を尊重している」というメッセージを言葉に込めることです。高圧的な物言いや一方的な指示は、Z世代に「ハラスメント」と受け取られるリスクがあります。
まとめ:世代間の「当たり前」は違う
本記事では、「9時出社がツラい」に代表されるZ世代の退職理由と、その背景にある価値観の違いを解説してきました。ポイントを整理します。
Z世代の退職理由
1位は「キャリア・個人成長」で3割超。「不満」ではなく「不安」が動機。
古いと感じる価値観
「上司より先に帰ってはいけない」は82.8%が古いと回答。意味のない慣習を嫌う。
上司のコミュニケーションが鍵
70.6%が「上司の言い方次第で辞めなかった」。給与より言葉が大切。
35〜50代の管理職世代にとって「当たり前」だったことが、Z世代には通用しない。これは「どちらが正しいか」の問題ではなく、単に「時代が変わった」という事実です。
思い返してみてください。私たちが若手だった頃も、上の世代から「最近の若者は」と言われていたはずです。価値観の違いは、いつの時代にもあるもの。大切なのは、違いを認めたうえで歩み寄る姿勢です。
Z世代を「すぐ辞める」「忍耐力がない」と批判するのは簡単です。しかし、彼らの価値観を理解し、コミュニケーションを変えることで、退職を防げる可能性が7割あるのです。
終身雇用が当たり前だった時代は終わり、転職が一般化した今、優秀な人材ほど「より良い環境」を求めて動きます。だからこそ、上司である私たちが変わる必要があるのです。
まずは明日から、部下への言葉のかけ方を少し意識してみてはいかがでしょうか。「なぜこの仕事をするのか」を説明する。「成長できている」と実感させる。「あなたを尊重している」と伝える。この小さな変化が、大きな違いを生むかもしれません。
参考資料
・厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」(2024年10月発表)
・OpenWork「3年以内に辞めたZ世代の入社&退職理由ランキング」(2025年2月)
・株式会社オロ「Z世代の残業時間に関する実態調査2023」
・ペンマーク・アルバトロス共同調査(Z世代316人対象)
・リクルートワークス研究所「ゆるい職場調査」(2022年)
