Z世代の退職理由ランキング
オープンワーク株式会社が発表した「3年以内に辞めたZ世代の退職理由ランキング」を見てみましょう。これは約2万5千件のクチコミをAI分析した結果です。
| 順位 | 退職理由 | 備考 |
|---|---|---|
| 1位 | キャリア・個人成長 | 3割超 |
| 2位 | 仕事へのやりがい | 達成感・充実感の欠如 |
| 3位 | 人間関係・社風 | 組織文化との不適合 |
| 4位 | ワーク・ライフ・バランス | 残業・自律性の欠如 |
注目すべきは1位の「キャリア・個人成長」です。実に3割以上のZ世代が「ここでは成長できない」という理由で退職しています。「最初の3年から5年は耐える必要があった」という声も報告されており、成長実感を得られないことが最大の退職動機となっています。
興味深いのは、入社理由との比較です。入社時に最も重視されていたのは「会社のブランド・成長性」でした。しかし、この項目は退職理由には一切挙がっていません。学生時代に重視した「知名度」や「業績」は、実際に働き始めると重要ではなくなるのです。
「古い」と感じる価値観ランキング
株式会社オロが実施した「Z世代の残業時間に関する実態調査」では、Z世代が「古い」と感じる仕事の価値観が明らかになりました。
| 順位 | 「古い」と感じる価値観 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 上司より先に帰ってはいけない | 82.8% |
| 2位 | 新人は誰より早く来て遅く帰る | 79.9% |
| 3位 | 残業時間が長い人ほど頑張っている | 71.7% |
8割以上のZ世代が「上司より先に帰ってはいけない」という暗黙のルールを「古い」と感じています。35〜50代の管理職世代にとっては当たり前だったこのルールが、若い世代には完全に時代遅れと映っているのです。
「残業嫌い」は本当か?意外な調査結果
「Z世代は残業を嫌う」というイメージがありますが、実態は少し異なります。
同調査によると、「残業はしない・断る」と回答した就活生はわずか1割。Z世代でも22%にとどまり、むしろY世代(24%)やX世代(16%)と大きな差はありません。
では何が違うのでしょうか。Z世代が嫌うのは「意味のない残業」です。
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 残業の有無が気になる | 82.3% |
| 理由:プライベートの時間が減る | 77.4% |
| やりたい仕事であれば残業OK | 19.3% |
| 納得してやっている残業 | 67.9% |
「納得してやっている」残業は67.9%が受け入れています。一方で、「やりたい仕事であれば残業してもよい」という条件付きの回答も19.3%ありました。つまり、Z世代は「残業そのもの」を否定しているわけではなく、「目的や意味がわからない残業」を拒否しているのです。
「上司が帰らないから自分も帰れない」「新人だから早く来て遅く帰る」といった、成果と無関係な慣習に対して「なぜ?」と疑問を持つ。これがZ世代の本音です。
「不満」ではなく「不安」で辞める
Z世代の退職動機を理解するうえで、もう一つ重要なポイントがあります。それは「不満」ではなく「不安」が主な理由だということです。
氷河期世代(40代前後)の多くは「給与への不満」「待遇への不満」といった理由で転職を考えてきました。しかしZ世代の場合、職場環境が改善されても離職率は下がっていません。なぜでしょうか。
それは「このままでは成長できないかもしれない」「この会社で働き続けて、他の会社でも通用する人材になれるのか」という将来への不安が大きいからです。SNSで活躍する同世代の姿を見て、焦りを感じる若手も少なくありません。
リクルートワークス研究所の調査によると、新入社員の75.8%が「不安だ」と回答。さらに48.9%が「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないか」と感じています。VUCAの時代と呼ばれる不確実な社会で、40〜50年のキャリアを考えたとき、「今の環境で大丈夫か」という不安は切実なものなのです。
次のページでは、退職を防ぐカギとなる「上司のコミュニケーション」について詳しく見ていきます。
