35〜50代の上司が今日からできる3つのこと

ここまで読んできた35〜50代の読者の皆さんは、おそらく「上司」の立場にいる方も多いでしょう。正月明けに突然「退職代行から連絡がありました」と言われないために、今日からできることを3つ紹介します。

1. 「話しやすい上司」になる

退職代行を使わせない条件の1位は「上司が話しやすい」でした。部下が悩みを相談しやすい環境を作ることが、突然の退職を防ぐ最も効果的な方法です。

具体的には、定期的な1on1ミーティングを設ける、雑談の時間を意識的に作る、部下の話を遮らずに聞く、といったことから始められます。「いつでも相談してくれ」と言うだけでなく、実際に相談しやすい雰囲気を作ることが重要です。

2. 退職意向を「引き留め」ではなく「尊重」する

退職代行を利用した理由の1位は「退職を引き留められた(引き留められそうだった)から」(40.7%)でした。部下が辞めたいと言ったとき、必死に引き留めようとする気持ちはわかります。しかし、それが逆効果になっていることも多いのです。

まずは部下の意向を尊重し、なぜ辞めたいのかを聞く姿勢が大切です。引き留めるのではなく、理由を理解しようとすること。それが結果的に、本当に辞めるべきかどうかを部下自身が考えるきっかけになります。

3. 自分のコミュニケーションを振り返る

退職代行利用者の70%が上司との関係に不満を持ち、40%がハラスメントを受けたと感じていました。しかし、多くの上司は自分がハラスメントをしているという自覚がありません。

「前にも言ったよね」「そんなことも分からないの」「俺の若い頃は…」——。こうした言葉を無意識に使っていないでしょうか。自分では「指導」のつもりでも、相手には「攻撃」と受け取られている可能性があります。

一度、自分のコミュニケーションスタイルを客観的に振り返ってみてください。信頼できる同僚や家族に聞いてみるのも一つの方法です。

まとめ——正月明けの退職ラッシュが教えてくれること

正月明けに退職代行への依頼が殺到する現象は、日本の職場が抱える問題を映し出しています。

82%が休み明けに「会社に行きたくない」と感じ、42%が長期休暇中に退職を考えた経験がある。そして退職代行利用者の70%が上司との関係に不満を持っていた——。これらの数字は、私たちに多くのことを教えてくれます。

連休明けに憂鬱になるのは、決して「甘え」ではありません。むしろ、心身が「正常」に戻ったからこそ、職場のストレスが見えるようになるのです。

もしあなたが今、会社に行くのがつらいと感じているなら、それは正常な反応です。無理をして我慢し続ける必要はありません。

そして、もしあなたが上司の立場にいるなら、部下の「突然の退職」は本当に突然なのか、考えてみてください。54%の人は本音を言わずに辞めていきます。気づいていないだけで、部下はすでにSOSを発していたのかもしれません。

次の連休明け、あなたの職場から「退職代行で辞めます」という連絡が来ないために。今日から、できることを始めてみてはいかがでしょうか。


参考資料
・ITmedia「退職代行モームリ1月6日過去最多256件」
・一般社団法人 徳志会「連休明けの退職・転職に関する調査」
・弁護士法人mamori「長期休暇明けに高まる退職モード調査」
・パーソル総合研究所「離職の変化と退職代行に関する定量調査」
・エン・ジャパン「本当の退職理由調査2024」
・マイナビキャリアリサーチLab「退職代行サービスに関する調査レポート2024」