詰む仕事5:ITエンジニア(コーダー専業)

最後に挙げるのは、意外に思われるかもしれませんがITエンジニアです。ただし、すべてのITエンジニアが詰むわけではありません。特に危険なのは、プログラミングだけを続けて、マネジメント経験を積まないまま年齢を重ねるパターンです。

なぜ詰むのか

IT業界は歴史が浅く、社内の人間は比較的若手が多い傾向にあります。そのため、40代の応募者に対して「やりづらい」と敬遠する採用担当者も少なくありません。20代・30代の上司の下で働くことへの抵抗感や摩擦も問題になります。

さらに厄介なのは、技術の陳腐化です。IT業界は技術の進化スピードが非常に速く、数年前に身につけたスキルがすでに時代遅れになっていることも珍しくありません。常に新しい知識をアップデートし続けなければ、若手に追い抜かれてしまいます。

調査によると、40代以上のIT人材の約4割がキャリアに不安を感じており、40代では「技術革新の速さ」についていけるかが最大の懸念事項となっています。

45歳で求人が途絶える現実

IT業界では、1メンバーとしての求人は45歳で途絶える傾向があります。45歳までには何かしらのマネジメント経験やスペシャリストとしての実績が求められるのです。

特に危険なのは、SES(客先常駐)で働いているエンジニアです。年齢が上がると案件が決まりにくくなり、単価も下がっていきます。「コードを書くだけ」で生き残れるのは、一部のトップレベルのエンジニアだけと考えたほうがよいでしょう。

詰まないためにやるべきこと

ここまで5つの「詰む仕事」を紹介してきました。では、年を取っても詰まないためには何をすべきでしょうか。

1. 35〜40代のうちにキャリアを見直す

最も重要なのは、早めに動くことです。50代になってから慌てても、選択肢はほとんど残っていません。35〜40代のうちに、自分のキャリアが「詰む」リスクを抱えていないか点検してください。

2. 管理職・専門職へのステップアップ

現場の最前線で働き続けるのではなく、管理職や専門職へのステップアップを目指しましょう。マネジメント経験があれば、年齢を重ねても市場価値を維持できます。

3. 資格取得で選択肢を広げる

今の仕事を続けながらでも、将来に備えて資格を取得することはできます。社会保険労務士、宅地建物取引士、介護福祉士など、年齢に関係なく活かせる資格を持っていれば、キャリアチェンジの選択肢が広がります。

4. 副業で収入源を分散する

本業だけに依存するのはリスクがあります。副業で別の収入源を確保しておけば、万が一本業を失っても生活を維持できます。また、副業を通じて新しいスキルや人脈を得ることもできます。

まとめ

年を取ってから「詰む」仕事には、体力依存、低賃金、非正規雇用、スキルの陳腐化といった共通点があります。建設作業員、長距離トラックドライバー、派遣・契約社員、飲食店スタッフ、コーダー専業のITエンジニア——これらの仕事に就いている人は、早めのキャリア見直しをおすすめします。

大切なのは、「まだ大丈夫」と先延ばしにしないことです。35〜40代のうちに動けば、まだ選択肢は残っています。しかし、50代になってからでは手遅れになりかねません。

今の仕事を続けて10年後、20年後の自分をイメージしてみてください。そのイメージに不安を感じるなら、今こそ行動を起こすときです。


参考資料
・厚生労働省「令和5年雇用動向調査」
・厚生労働省「中途採用に係る現状等について」
・労働安全衛生総合研究所「トラックドライバーの不規則勤務が健康に及ぼす影響」
・マイナビキャリアリサーチLab「中高年のキャリア意識と課題」