なぜZ世代は「すぐ辞める」のか

Z世代を批判するのは簡単です。しかし、彼らがこうなった背景には、時代の変化があります。

「終身雇用」を信じていない

40〜50代が就職した時代、「1つの会社で定年まで働く」のが当たり前でした。しかし、Z世代はその前提を信じていません。

彼らが物心ついた頃には、リーマンショック、大企業の倒産、リストラのニュースが日常でした。「会社に尽くしても報われない」と学んで育った世代なのです。

日経xwomanの調査では、7割の若者が「1社で長く働きたい」と回答しています。しかし、実際には早期退職が増えている。この矛盾は、「長く働きたいけど、この会社じゃない」という意識の表れです。

転職が「当たり前」の時代

かつて転職は「根性がない」「我慢できない人」というネガティブなイメージがありました。しかし、今の若者にとって転職は「キャリアアップ」のポジティブな選択肢です。

転職サイトは「3年で辞めるのは普通」「合わない会社にいる必要はない」と発信し、SNSには「退職してよかった」という体験談があふれています。「辞める=逃げ」ではなく「辞める=賢い選択」という価値観が広まっているのです。

退職代行という「逃げ道」の存在

退職代行サービスの普及も、早期退職を後押ししています。上司と直接話さなくても、お金を払えば代わりに退職手続きをしてくれる。この「逃げ道」があることで、退職のハードルは大きく下がりました。

退職代行の料金は2〜5万円程度。「この会社で我慢する精神的コスト」と比較すれば、安い買い物だと考える若者が増えているのです。

SNSで「辞めてよかった」が拡散

X(旧Twitter)やTikTokには、「退職してよかった」「ブラック企業から逃げた」という投稿があふれています。「我慢して働いた結果、体を壊した」という先人の失敗談も多く共有されています。

こうした情報に日常的に触れているZ世代にとって、「辛くても我慢して働く」という選択肢は、むしろリスクに見えるのです。会社に殺される前に逃げろ——そんなメッセージを受け取って育った世代なのです。